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2018.05.10

【フタミ商事プロデュース】新宿二丁目リース店舗の作り方~ほぼフルリノベーション編

「新宿二丁目の店舗物件が中心の弊社にとっては、4月が一番の繁忙期なんです。」

理由としては、以下の2点が挙げられます。

1.4月から飲食店を辞めて新しい生活をスタートする人が多い。
2.忘年会シーズンに思うように売り上げられなかった飲食店が、閑散期の1月に解約を決意して3月に閉店する。(店舗の解約予告は2~3ヶ月前が一般的です。)

今年は特に新規契約が多く、4月だけで7件、新宿二丁目の飲食店で5件の契約をさせていただきました。その中の一つは、ほぼフルリノベーションのリース店舗物件。内装の打ち合わせをしていると、大家さんからひとこと、

「全部フタミさんに任せるから、若者の感覚でオシャレにしてね。」

よぉーし!全くオシャレ感覚わからないけど、やってやるぞぉー!という訳で、今までの経験に加えて、奥さんに相談したり、オシャレなカフェをググったりしながらなんとか完成させました。今回はその物件の写真とともに、『新宿二丁目リース店舗の作り方』をご紹介したいと思います。

①入口扉

鉄扉を入口扉とする場合には、大体は塗装かダイノックシート貼りの二択です。基本的には、単色の場合は塗装、木目調などの模様を付けたい場合はダイノックシートを使います。

色のイメージは、カシスオレンジ!

上の写真が外側、下が内側。このフロアーには4件のバーがあり、他が茶色・白・黒の扉でした。それ以外で目立つ色を考えた結果、”オレンジっぽい赤”に。枠と扉の色が違うのもポイントです。グーグルでオシャレカフェを調べまくった結果、茶系にマッチする色はこれかなと^^;

②カウンター

私の調査では、以下の様な分類ができます。

形:I型、L型、コノ字型、その他

高さ:900㎜(ローカウンター)~1100㎜(ハイカウンター)

幅:450㎜(狭め)~600㎜(広め)

角の丸いところがこだわりです。

まさに私が思う(二丁目の)理想的なカウンター、角を丸めたL型・高さ1050㎜・幅500㎜が完成!カウンターは土台を残して天板のみを作り直し、石目長のメラミン化粧板で仕上げました。足掛けは既存のコンクリートにグレーの塗装、カウンター下の側面はベニヤ板を貼り、木目の残るオイルステイン仕上げです。

③客席

二丁目は、カウンター8~10席+BOX(4~5人)くらいでお店を探される方が大半です。内装のポイントは、面積が狭くてもデッドスペースを無くして客席を多く作ること。あとは、窓があれば利用して広くみせることができます。

窓からはお墓がよく見えます。

昔はゲイバーは窓を壁や扉等でふさぐのが常識だったようですが、いまは窓が欲しい!という方が多くなりました。これも、新宿二丁目が”オープンな街になってきた”からなのでしょうか。窓の向こうはお墓ですが、お墓の前の飲み屋は儲かる説があるとか!?また、トイレの扉は新たに作成、(酔っぱらって)入口と間違えないようにチャコールグレーに塗装しました。

④カウンターイス

形はいろいろとありますが、やはり業務用のイスが長持ちします。ニトリ等の住宅用の椅子をバーで使用して、半年位で壊れたという話を何度も聞きました。(昇降式のイスでは最短で3ヶ月という話も!)また、カウンターイスの座面の高さはカウンターの上端から280~300㎜下がりが理想です。

通路の狭い所は丸イスという心遣い。

メインは二丁目でよく見かけるシェル型6脚、窓側には背もたれのない丸型(内1脚を足置き付)2脚を設置。色は落ち着いた”オレンジっぽい茶色”を採用しました。

⑤床と壁と天井と

床材はフロアタイル、壁紙はビニールクロス、最近はなかなか質がよく面白い柄が増えてきました。床材や壁紙は、サンゲツリリカラ東リシンコール等のメーカーの商品から選びます。今はどのメーカーでもデジタルブックがあり、ネットでサンプルが見られるので便利です。

この花柄だったらありかも。

最初は打ちっぱなし調のフロアタイルを選んでいたのですが、なんかつまんないということで、さりげなく花柄の入ったものにしてみました。

空きスペースはお店次第で。

客席側の壁は明るい白系で横に線が入ったものに。写真のスペースは空けておいて、ベンチシート・収納・冷蔵設備など、お客様次第で活用できるようにしました。ちなみに、今回契約された方は、ここに”荷物入れ付きのベンチシート”を作る予定です。

木目に包まれます。

天井って、目立たないようでお店の印象に大きく影響します。白系の明るい色にすれば開放的に、黒系の暗い色にすれば落ち着いた雰囲気に。今回はその中間という感じでしょうか。カウンター上の”下がり天井”だけを木目にするつもりでしたが、最終的に天井全てに同じ木目調を採用しました。

⑥食器・ボトル棚

”扉付”の食器棚は、保健所の申請のために必須です。ボトル棚の棚はなるべく可動式で分厚いものにしましょう。

下段と上段の間の空間がポイント!

二丁目仕様ともいえる形状のボトル棚。鏡月やトライアングル等を横向きに入れることを想定して作りました。下段の奥行は300㎜、上段の奥行は250㎜。上段の奥行を抑えること、下段と上段の間に空間を付けることで、客席からは奥行が感じられるし、カウンターの中が狭くても上半身が動きやすくなります。

⑦設備関係

私が勝手に二丁目バーにおける”三種の神器”と読んでいるのが、エアコン・製氷機・冷蔵庫(コールドテーブル又は冷蔵ショーケース)です。営業に必要なメインの設備というだけではなく、買取りではけっこうコストがかかります。

幅と高さを揃えて、とにかく隙間を無くしたいのです。

何かが出っ張ってると邪魔だし、高さが揃わないと使いにくいし、隙間があるとそこからいろんなものが落ちて行方不明になります。以前、私が空き店舗のカウンター内を掃除していたら、一時間ほどで500円を6枚拾いました。ただ働きかと思ってたら時給3,000円、なかなか割のいい仕事じゃん…。では、写真の設備を手前から説明していきます。

●手洗い(消毒入れ付)…定番はTOTO L30、保健的には”肘が洗える大きさ”だそうです。

●製氷機…ホシザキ製の35kg、メンテナンスを考えるとやはりホシザキさんが一番です。

●二槽シンク…二丁目バーでは幅900㎜が多く、蛇口は両端を給水用、真ん中を給湯用にしています。

●冷蔵ショーケース…今回はスペースの関係もあり幅1000㎜のホシザキ製を採用。スペースに余裕がある場合、料理をする場合には、開き戸タイプのコールドテーブル(幅1150~1200㎜)がおすすめです。

⑧まとめ

いかがでしたでしょうか?

壁紙3種類・塗装3種類+オイルステンと贅沢に使い、依頼主の方にも色使いを高評価いただきました!デザインについては好みがあるので人それぞれかと思いますが、リース店舗は「1.保健所の許可が下りるかどうか」と「2.(造作設備等が)すぐに営業できる状態かどうか」が重要です。保健所への申請の内容は、以下のページをご参照ください。

BAR(バー)開業までの流れ

そういえば、トイレの事を書き忘れました。

長くなってしまうので、それは次回のお楽しみということで(笑)

つづく・・・