前回、ご紹介した「飲食店・BARの方へ」の中で、持続化給付金や融資制度については、家主・貸主様に適用できるものもあります。
ただ、それよりも私が気になるのは、新型コロナウイルス感染症によるテナント賃料を減免・猶予した場合の支援策。こちらは国の施策が大きく3つ発表されました。
※以下【 】内は私の勝手な評価です(^^;
国の支援策について
① 税・社会保険料が1年間納付猶予されます。【×】
思わず免除じゃなくて猶予かーい!と突っ込みを入れたくなりました・・・一時的に納付が困難になった場合には、利用価値があるかもしれませんが。
② 固定資産税・都市計画税が減免されます。【△】
具体的には、「2020年2~10月の任意の3ヶ月の売上が前年同期比30%以上50%未満減少した場合は1/2に軽減し、50%以上減少した場合は全額を免除する。」とのこと。でも、家主・貸主さんの場合は30%以下が対象外となると、かなり限定されてしまうなぁ。
③ 減免したテナント賃料は損金として算入できます。【○】
賃料を減額した分については、寄附金(一部損金算入)に 該当せず、税務上の損金として全額算入することが可能になりました。いくつか条件がありますが、特に重要なのは「減額が書面などで確認できる 」ということ。この特例措置はシンプルで、解りやすい内容です。
①~③をまとめた資料もありましたので、以下をご参考に。(国土交通省)
新宿区の支援策について
店舗等家賃減額助成【○】
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として店舗等賃貸人に対する区独自の家賃減額助成
4/27、テナント家賃を減額する大家さんに対する、新宿区独自の支援概要が発表されました!具体的には「1物件につき、4月~9月に減額した家賃の1/2を賃貸人に助成(最大月5万円、1賃貸人につき5物件まで)」です。
問題は”賃貸人の条件”なのですが、このような案が出ています。
- 中小企業基本法第2条第5項に定める小規模事業者または小規模企業主
- 区内に引き続き1年以上住所を有し、5年以上対象となる物件を所有していること
- 住民税、事業税の滞納がないこと、賃貸人と賃借人が同一でないこと
など。
ここでのポイントは、2.の”区内に引き続き1年以上住所を有している”と、”5年以上対象となる物件を所有していること”の2点です。
「内容はいいんだけど、賃貸人の条件が厳しいなぁ。」というのが私の正直な感想です。区民税を節約した基金を取り崩して投入するとのことで、仕方がないことかもしれませんが。
まずは上記の条件の方を優先して、その後に予算次第では区外の大家さん(せめて賃借人が新宿区在住など)にも対象を広げてもらいたいです。今は大家さんも2代目3代目となり、区外県外にお住いの方が多いのが現状なので。
この制度はGW明け5/7㈭から開始予定とのこと。
区長さま、区議の皆さま、”魅惑の繁華街”の未来ためによろしくお願い致します。
その後・・・
連休明けの5/8㈮、新宿区役所(6F)に行き確認してきました。
すると、
区内に引き続き1年以上住所を有し、5年以上対象となる物件を所有していること- 区内に引き続き1年以上を住所を有し、2年以上対象となる物件を所有していること
と緩和され、さらには、
※賃貸人(法人又は個人)が新宿区に1年以上住所を有していない場合や、新宿区外に住所を有している場合。
⇒他の条件を備えていて、かつ新宿区内で家賃を減額する物件について5年以上所有している場合は、助成対象者とします。
そして、
(令和2年5月25日更新)
※賃貸物件の所有が移転している場合でも、相続の場合や、債権譲渡・債務引き受け等により、現在の店舗等賃借人との関係性を前の所有者から引き継ぎ、かつ事業の継続性を確認できる場合は、前の所有権者の物件所有期間を加算できるものとしました。
と大きな変更となり、これには私も正直驚きました。これで、弊社でも多くの大家さんが対象となります。
新宿区役所の皆様、柔軟なご対応をいただき本当にありがとうございます。
↑申請書類は新宿区役所6階、またはコチラからもダウンロードできます。